お灸に使う艾(もぐさ)は、春の代表的な野草である、よもぎ(蓬)が原材料です。

お灸に使う艾(もぐさ)は、春の代表的な野草である、よもぎ(蓬)が原材料です。

 

お灸はよもぎで作られる

甘党の私は、四季折々の色、形、そして味覚を楽しみ、季節が感じられる和菓子が好きです。

中でも草餅は普段からお茶受けとしてよく頂くことが多いのですが、この草餅は、よもぎ(蓬)という植物を蒸して餅に練り込んで、落ち着いた緑色と清涼感のある独特の風味を醸し出しています。

鍼灸マッサージ治療で使用する、お灸は、もぐさ(艾)を使って治療しますが、実は艾は、よもぎ(蓬)を原材料として作られます。

実はよもぎの毛だけを集めたもの

よもぎには、その葉の裏を覗いて見ると細かくやわらかい毛で覆われている様子を見ることができます。

この毛は1本1本がTの文字形をしていることから「T字毛」と呼ばれているのですが、実は、艾はこのT字毛だけを丁寧に集め精製したものなのです。

草餅ではこの毛の形状のおかげでお互いが複雑に絡み合って餅とも良く混ざり、餅のコシを増すためにも一役買っているそうです。

なかなか実物を目にしないとわからないと思いますが、葉っぱの裏のT字毛だけを集めているものですから、艾は大量のよもぎの葉を精製しても、ほんの少ししか採取できないとても貴重なものです。
艾は良く精製されたものほど、繊細な綿の様に、柔らかく空気を充分に含んでフワフワしています。また、独特の精油成分を多く含んでいるため、とても心地よいさわやかな香りがします。

なぜ、よもぎなのか?

艾は、このT字毛の形状とそれに含まれる精油成分により、火をつけてもじわじわとゆっくり燃えるため、一気に高温になることもなく、ほどほどの時間をかけて、ゆっくりと燃えます。艾だからこそ、程よい熱量が身体に伝えられるという訳です。

艾を使って、皮膚に直接、お灸をすることを直接灸と言いますが、基本、我々は皮膚、直接には行いません。ただその効果は高いものなので、患者さんに十分に説明し、その効果を期待して、施術に同意して頂ける方には、もちろんさせて頂きます。

私たちは患者様の症状に応じて、据える艾の形状や大きさを決めて、熱さを調節しながら適したお灸をしています。